2月4日頃から、二十四節気の「立春」に入ります。
立春は、暦の上では春の始まり。でも体は、まだ冬の延長線上にあります。
冷えが残る、体が重い、やる気が出ない。
それは不調ではなく、
冬に蓄えてきたものを抱えたまま、春へ向かおうとしているサイン。
立春の養生は「動かす」よりも、
やさしく整えて、通り道をつくること。
今回は、そんな立春におすすめのお茶と、その選び方をまとめました。
立春の薬養生とは

立春に、どんなお茶を選ぶか
立春は、暦の上では春の始まり。
けれど体は、まだ完全に冬のモードのままです。
寒さの中で守ってきたエネルギーや、冬のあいだに溜め込んだものを抱えたまま、体はまだ「冬の続き」を生きています。
立春の薬養生は、春に向かって無理に動かすことではなく、冬から春へ、静かに橋をかけていく養生です。
立春は「春の始まり」だけど、体はまだ冬の中
立春を迎える頃は、寒さが残り、冷えやすさも続く時期。
体の深い部分では、冷えや緊張がまだほどけきっておらず、エネルギーは内側にしまわれたままです。
この状態で急に動き出そうとすると、だるさや疲れ、気分の落ち込みとして表に出ることも。
立春は、「動き出す準備を始めるタイミング」。
完全に切り替えるのではなく、ゆるめながら、整えていくことが大切です。
冬に溜めたものと、これから動き出すエネルギーの関係
冬のあいだ、体はエネルギーを外に使わず、内側に蓄えることで寒さをしのいできました。
その蓄えは、春に向かって動き出すための大切な土台。けれど、巡りが悪いままだと、重さや停滞として残ってしまいます。
立春の養生では、溜めたものを一気に出すのではなく、巡りやすい通路をつくることがポイント。
温めて、ゆるめて、少しずつ流す。そうすることで、これから動き出すエネルギーが、無理なく春へ向かって使われていきます。
立春のお茶選びの考え方
立春は、春に向かって動き出す入口のような時期。
けれど、このタイミングで大切なのは「がんばって整えること」ではありません。
お茶は、体を大きく変えるためのものではなく、日々の中でそっと状態を整えてくれる存在。
立春のお茶選びも、無理をしないことをいちばんに考えます。
無理に動かさないことが、春の準備になる
立春を迎えると、気分的には何か始めたくなったり、動かなきゃ、という気持ちが出てきがちです。
でも体は、まだ冬の余韻の中。
ここで無理に動かすと、疲れが抜けにくくなったり、巡りが滞ったりします。
立春の養生では、「動かさない=止まる」ではなく、力を抜いて、自然に動き出せる状態をつくること。
お茶も、体をぐっと押すようなものより、そっと寄り添うものを選びたい時期です。
「巡らせる・ゆるめる・ためこまない」が基本
冬のあいだに溜めたものは、そのまま春に持ち越すと、重さや不調につながりやすくなります。
だからといって、一気に出そうとする必要はありません。
立春のお茶選びでは、
- 巡りを助ける
- こわばりをゆるめる
- ためこみにくい体をつくる
この3つを意識するだけで十分。
少しずつ流れが生まれることで、春のエネルギーも自然と使いやすくなっていきます。
立春のお茶は“温めすぎない・冷やしすぎない”がポイント
立春は、冷えとゆるみが同時に存在する時期。
そのため、お茶も強く温めすぎるもの、逆に冷やすものは控えめに。
目安は、体の真ん中がじんわり落ち着くかどうか。
温かさを足しつつ、重くなりすぎない。香りや軽さを感じられるお茶が、立春の体にはちょうどいい選択です。
ここから先では、この考え方をベースに、立春の時期におすすめしたお茶を目的別にご紹介していきます。
気をゆるめて、巡らせるお茶

気をゆるめて、巡らせるお茶
立春の頃は、体より先に気持ちが動き出しやすい時期。知らないうちに力が入り、呼吸が浅くなっていることも少なくありません。
このタイミングで大切なのは、「がんばって巡らせる」よりも、ふっと力が抜けるきっかけをつくること。
立春に気が張りやすい理由
立春を迎えると、少しずつ日が長くなり、外の空気も変わり始めます。
体はまだ冬のままなのに、気だけが先に動こうとするため、内側でアンバランスが起きやすくなります。
- 理由のないそわそわ感
- 気持ちの焦り
- 肩や首のこわばり
こうした変化は、「うまくできていないサイン」ではなく、春へ向かう途中の自然な反応。
まずは気をゆるめて、巡りが戻る土台をつくることが大切です。
香りでふっと力を抜くという選択

気をゆるめて、巡らせるお茶の材料
立春のお茶選びでは、味や効能よりも、香りに意識を向けてみるのがおすすめです。
香りは、考えるより先に、呼吸と気持ちをゆるめてくれます。
一口飲んだときに、胸のあたりがふっと緩む感じがあるか。
それだけで、気の巡りは自然と動き始めます。
「効かせる」よりも、「ほどく」。それが立春らしい選び方です。
おすすめブレンドと飲むタイミング

陳皮+ローズ+ほうじ茶
おすすめブレンド
- ローズ 1~2枚
- 陳皮 ひとつまみ
- ほうじ茶 小1
華やかすぎず、甘すぎない香りが、張りつめた気をやさしくほどいてくれます。
飲むタイミング
- 朝、動き出す前
- 午後の切り替えタイム
- 気持ちがざわつくときに
がんばる前に、ひと息。
このお茶は、立春の一日をなめらかに始めるための一杯です。
選び方のヒント
- なんとなく落ち着かない日、まずはこのお茶から。
気持ちが先走っていると感じたら、香りでひと息つく時間を。
使っている陳皮はこちら
- 国産
- 香りが穏やかで、少量でも使いやすい
肝をいたわるお茶

肝をいたわるお茶
春は、五行では「肝」にあたる季節。
立春を迎えると、体の内側でも少しずつ肝の働きが目を覚まし始めます。
ただし、立春はまだ準備段階。
動き出そうとする力と、冬の名残が同時に存在するため、揺らぎやすさが出やすい時期でもあります。
春に「肝」が揺れやすくなる理由
肝は、気や血の流れを調整し、心身ののびやかさを保つ役割を担っています。
春に向かって動き始めると、この肝の働きも活発になりますが、巡りが追いつかないと、張りやすさや不安定さとして表に出やすくなります。
- イライラしやすい
- 理由もなく気分が落ち着かない
- ため息が増える
こうした変化は、春に向かう過程で起こりやすいもの。
立春の養生では、肝を刺激しすぎず、やさしく整えて支えることが大切です。
目の疲れ・気分の波を感じたときに

肝をいたわるお茶の材料
肝は「目」とも深く関わっています。
立春の頃に、
- 目が重たい
- かすみやすい
- 画面を見る時間が長くて疲れる
と感じたときは、肝が少し疲れているサインかもしれません。
また、気分の浮き沈みや、感情の波を感じやすいときも、無理に抑え込まず、静かに整えるケアを取り入れてみましょう。
おすすめブレンドと飲むタイミング

菊花+なつめ+ウーロン茶
おすすめブレンド
- 烏龍茶 or 白茶 小1
- 菊花 2~3輪
- なつめ 1/4~1/2個
肝の巡りを助けつつ、動かしすぎない組み合わせです。
飲むタイミング
- 午前〜昼にかけて
- 目や気分の疲れを感じたとき
- 仕事や家事の合間に
濃く淹れすぎず、香りを感じるくらいが立春向き。
この一杯は、春の揺らぎに振り回されないための調整役のようなお茶です。
選び方のヒント
- 目の疲れや、気分の波を感じた日はこのお茶。
がんばる前に、肝を休ませる一杯を。
使っている菊花はこちら
- 使い切りやすい量
- ほんのりと香る
冬から春への切り替えを助けるお茶

冬から春への切り替えを助けるお茶
立春は、冬の冷えを抱えたまま、春へ向かい始める時期。
完全に切り替えるにはまだ早く、でも冬のままでは少し重たい。
そんな「間」の時間を、無理なくつないでくれるのが、このお茶です。
冬の冷えを残したまま春を迎えないために
冬のあいだ、体は冷えから守るために、巡りを抑え、内側に力を集めてきました。
立春を迎えても、この冷えや緊張が残ったままだと、春の動きが鈍く感じられることがあります。
だからといって、強く温めたり、無理に動かす必要はありません。
大切なのは、冷えを「追い出す」のではなく、ほどいていくこと。
「温めて巡らせる」中間のお茶という考え方

冬から春への切り替えを助けるお茶の材料
この時期に向いているのは、しっかり温める冬のお茶でも、軽く巡らせる春のお茶でもない、その中間の存在。
カルダモンの爽やかな香りは、体の内側にこもった重さをふっとゆるめ、巡りのきっかけをつくってくれます。
そこに、生姜をほんの少し添えることで、冷えの名残をやさしくほどき、ほうじ茶が全体を落ち着かせる。
温めすぎず、でも確実に巡りは戻ってくる。立春らしいバランスのお茶です。
おすすめブレンドと飲むタイミング

カルダモン+生姜+ほうじ茶
おすすめブレンド
- カルダモン 1粒
- 生姜 スライス1枚
- ほうじ茶 小1
香りが立ちすぎない程度に、軽く淹れるのがポイント。
飲むタイミング
- 朝、まだ冷えを感じるとき
- 寒暖差のある日
- 体は重いけれど、動き出したい気分のときに
このお茶は、冬を引きずらず、春を急がせないための一杯。
立春の体を、静かに次の季節へとつないでくれます。
選び方のヒント
- 冷えは残っているけれど、少し動き出したい日に。
冬を引きずらず、春を急がせない中間のお茶。
使っているほうじ茶はこちら
家でも外でも飲みやすい、クセの少ないほうじ茶を選んでいます。
軽やかに、ためこみを防ぐお茶

軽やかに、ためこみを防ぐお茶
立春は、動き始める準備をしながらも、体の中にはまだ冬の名残が残っている時期。
この時期に感じやすい「なんとなくの重さ」や「すっきりしない感じ」は、がんばり不足ではなく、ためこみやすい状態にあるサインかもしれません。
立春に湿が溜まりやすくなる理由
冬のあいだ、体は冷えから守るために、巡りを抑え、内側にエネルギーや水分を溜めてきました。
立春を迎えても、急にその状態が切り替わるわけではありません。
気温や環境は少しずつ変わっているのに、体の中はまだ冬のペースのまま。そのズレが、湿や重さとして残りやすくなる原因になります。
この時期は、一気に出すのではなく、ためこみにくい状態をつくることが大切です。
体が重い・むくみやすい日のサイン

軽やかに、ためこみを防ぐお茶の材料
立春の頃に、こんな感覚はありませんか。
- 朝起きても体がすっきりしない
- 足や指輪が少し重たく感じる
- 食後に体がだるくなりやすい
これらは、体が「流れを必要としている」サイン。
無理に動いたり、強いデトックスをする必要はありません。軽やかさを取り戻す手助けをするだけで十分です。
おすすめブレンドと飲むタイミング

ハトムギ+陳皮+玄米茶
おすすめブレンド
- はとむぎ 小1
- 陳皮 ひとつまみ
- 玄米茶 小1
余分な湿をやさしく流しながら、体を冷やしすぎず、巡りを助けてくれる組み合わせです。
飲むタイミング
- 日中、体が重たく感じるとき
- 食後のひと息に
- むくみやすい日のケアとして
このお茶は、立春の体に「軽さ」を思い出させる一杯。
がんばって出すのではなく、自然に流れやすい状態をつくることで、春の動きも、無理なく始まっていきます。
選び方のヒント
- 体が重い・むくみやすいと感じた日はこのお茶。
出そうとせず、流れやすい状態をつくることから。
使っている玄米茶はこちら
- カフェインレス
- ティーバッグで淹れやすい
立春の薬養生は「整えすぎない」がちょうどいい
立春は、何かを始めたり、切り替えたりしたくなる時期。けれど、体にとって本当に必要なのは、整えすぎない余白かもしれません。
がんばって正解に近づくより、今の状態を受け止めて、少し楽になる選択をする。それが、立春の薬養生の基本です。
がんばらない養生が、春の動きやすさにつながる
体は、無理をした分だけ動けるようになるわけではありません。
むしろ、力を抜けたところから、自然な巡りや動きが生まれていきます。
立春は、「整える」というより、整いすぎない状態を許す季節。
今はまだ、動けなくてもいい。重さが残っていてもいい。
その余白があるからこそ、春本番に、無理なく体が動き出します。
その日の体調に合わせてお茶を選ぶという習慣
立春の養生で大切なのは、決めたことを続けることよりも、その日の体の声に耳を傾けること。
今日は気持ちが張っているな、
今日は体が重たいな、
今日は少し冷えるな。
そんな小さな変化に合わせて、お茶を選ぶ。
それだけで、体はちゃんと応えてくれます。
毎日同じでなくていい。
迷いながら選ぶことも、立派な養生のひとつです。
立春は、静かに春へ向かう時間
立春は、春に向かって走り出す合図ではなく、春へ向かう準備が始まる時間。
閉じていた巡りを、一気に目覚めさせる必要はありません。
温めて、
ゆるめて、
少しずつ通す。
その積み重ねが、春の軽やかさにつながっていきます。
閉じていた巡りを、やさしく目覚めさせるために
今日の体にちょうどいい一杯を。
それが、立春の薬養生。
急がなくていい。
整えすぎなくていい。
静かな準備の時間を、どうぞ大切に過ごしてください。
